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将棋は、相手の王将を取ったら勝ち

将棋は相手の王将を取ったら勝ち

将棋は40枚の駒を使って二人で対戦するボードゲームです。相手側と自分側に1枚ずつ王将という駒があり、早く相手の王将を取ったほうが勝ちとなります。

将棋は日本で独自に進化したものですが、平安時代にはすでにその原型があったようで現在の形になってからも既に500年ほど経っていると言われています。

長い歴史を経た今でも新しい作戦が編み出され、最新のコンピューターを使っても必勝法は未だ見つからず、ボードゲームの中でも非常に奥が深い部類です。

このサイトではこれから将棋を始める方、ちょっと興味を持った方、覚えたての級位者の方を対象に「将棋の入り口付近」をご案内いたします。

将棋について

将棋は相手と自分が交互に駒を動かして、相手の「王将」と呼ばれる駒を取りに行くゲームです。論理的思考力が鍛えられるということで近年は知育にも取り入れられているようです。

最初に覚えることが多く、どうしても取っ付きにくい印象もあるため簡略化されたどうぶつしょうぎなどのゲームも作られています。敷居が高いと感じる人はそちらから始めてみるのもいいかもしれません。

将棋はチェスにも似ていますが、のちほど解説する「駒の再利用」などの日本独自の発展を遂げています。そうした背景に加えて駒に漢字が使われていることもあり、将棋人口のほとんどは日本人です。

日本的な美学も詰まっており、子どもの教育としても大人の嗜みとしても浸透しています。将棋盤や将棋駒も洗練されており、道具好きの方ならこだわりの逸品を探し求めるのも楽しいでしょう。

なお、この深淵な世界が面白すぎて将棋沼にはまってしまっても当サイトは一切の責任を負い兼ねますのであらかじめご了承ください(笑)

王将を取られる前に負けを認める

将棋は決着がつくまでに多い時で100回以上駒を動かしますが、最後の一手で王将を取るシーンが訪れるわけではありません。

実際の対局では、少し先で王将が取られることが確定した時点で負ける側から自分の負けを認めて対局が終わります。プロ棋士の対局で「負けました」と頭を下げている映像を見たことはないでしょうか。

…そしてそのあと二人とも神妙な面持ちで、どっちが勝ったか分からないような時間が流れます。初めて見るとちょっと不思議な印象を受ける方も多いかと思います。

プロ棋士の世界には「負けるにしても美しい形を残して、その美しさが生きるタイミングで負けを認める」「勝っても相手がいる前では喜びは表に出さない(※)」といった文化があります。

(※)感情表現を慎むという意味合いのほかにも「プロの場合は最終局面を迎えるよりもずっと前の段階で勝ち負けを読み切っていて、終わった時にはすでに感情のピークは超えている」「対局中の極度の集中から解放されて、終わった瞬間に脱力してしまう」などの理由もあるようです。

そして、もちろん勝ったことは嬉しいはずですが勝敗は一旦横に置いて、なぜこういう結果になったかということを対局した二人で掘り下げます。(※)

(※)感想戦と呼ばれるもので、プロ棋士の対局中継を見ていると対局が終わってからも駒を並べ直して、あーだこーだと話し合っている映像が流れます。

西洋のチェスにもそのような要素がないわけではありませんが、プロの将棋を見ていると日本人ならではの美意識や気遣いが随所に現れているように感じられます。江戸時代には幕府によって将棋の家元制度が支えられてきた経緯もあり、武士の気品のようなものを受け継いでいるのかもしれません。

相手の駒を取ると味方の駒になる

さて、将棋の特徴をひとつ言うとしたら、相手から取った駒を自分側の戦力として再び盤上に打てるということでしょう。チェスでは取られた駒は二度と盤上に戻ってくることはありません。この違いが将棋をより奥深いものにしている大きな要因となっています。

「将棋は相手の王将を取るゲーム」といっても、いきなり王将を取れるわけではありません。相手も王将を取られないようにガードを固めてくるので、まずは外堀を埋めるように周囲の駒から取っていくことになります。

詳しくは別途解説しますが相手の駒があるマスに自分の駒を移動させると、相手の駒を取ることができます。取った駒は駒台(こまだい)と呼ばれる台の上に一旦置いておきます。

そして次回以降、好きなタイミングでその駒を盤上の好きなところに打つことができます。昨日の敵は今日の友。その逆も然り。このルールがあるおかげで無限に近いほどのたくさんのクリエイティブな作戦が生まれることになります。

その昔、捕まえた敵兵は殺さないで仲間にするという発想があったのか、単にゲームの仕組みの都合上だったのか、それとも誰かが負け惜しみの冗談で盤外の駒を使ったのが流行ったのか分かりませんが、結果として誰も死なない(どの駒も最後まで使える)平和なゲームになっています。

こじつけかもしれませんが、チェスと将棋に西洋と日本の価値観の違いが現れているようにも見え、興味深いところです。

将棋をするメリット

昨今では将棋が持つ知育の側面が注目されています。論理的思考力を鍛える、集中力を高める、創造性や発想力を伸ばす、礼儀作法を身につける、自分より強い相手には自ら負けた事実を受け入れる…など、社会で生きていくうえで必要な要素がたくさん詰まっているといった理由です。

…が、あえて言います。それは将棋でなくてもいいと思いませんか(笑)

社会的な能力を身につけるのが目的なら現実の問題に真正面から取り組んだ方が実践的で社会経験も増えて良いような気がしてなりません。

メリットなんてなくていいんです。将棋は面白いからやるんです(筆者の独断と偏見)

多少であれば将棋に触れることで新たな視点も得られるでしょうが、将棋にハマると時間をどんどん費やしてしまうわりには世間一般に役立つ引き出しは増えません。コスパでいえば明らかに悪いです(笑)

将棋は、盤上にお互いの駒が同じ数だけ並んでいる公平な条件のもとで相手と知恵比べをする純粋な遊びです。より優れた作戦を実行したほうが勝ち。現実のように理不尽な邪魔が入ったりすることはありません。

それゆえに負けた時の言い訳は一切できませんが、どんなに酷い戦いをしても「負けました」と言って終われば何事もなかったかのように現実の世界に帰ってくることができます。

プロ棋士ともなれば話は違うでしょうが、アマチュアに限って言えば何の心配もなく自分の考えを試せる場が将棋盤なのです。オリジナル戦法を考えたり、相手の意表をついた心理戦を楽しんだり、いろんな味わい方があります。

まとめ

将棋の対戦は、1局、2局…と数えます。対戦することも対局という言葉を使うのが普通です。そして、対局中の駒の配置や勝負の優劣の模様のことを局面と呼びます。日常でも「大事な局面」などといった表現がされますが、もとは将棋や囲碁の用語です。

「局」という漢字は「局地的」「局所」という単語があるように「小さく仕切られた部分」という意味を持っています。「編集局」「郵便局」のような言葉も「担当する仕事の分野」という広義の意味での「仕切り」を表しているものと考えられます。

つまり将棋の対局は「小さく仕切られた二人で向かい合う時間、あるいは将棋盤のある空間」と解釈できます。特にネット対局などは相手がどんな人かも分からないなかでほんの10分か20分ほどの仕切られた時間と情報空間を共有することになります。

ルールさえ覚えれば誰とでも遊べ、何度やっても同じストーリーにならない無限の可能性があります。そして、現代のプロ棋士だけでなく江戸時代の棋譜(駒の動きの記録)を見れば当時の将棋を観戦している気分にもなれます。一度ハマってしまうといくら時間があっても足りなくなることでしょう。

繰り返しますが、読者の皆さんが将棋沼から抜け出せなくなってしまっても当サイトは一切の責任を負いません(笑)